幻想俯瞰飛行

生存記録を兼ねて長文を書くためのブログ。文章読んだり書いたりします。 

私生活が多忙で更新を怠りすぎていました。
レビューだの評論だの小説だのいろいろ書きたい文章はあるんですが、なかなか形になっていない状態です。休みの日に図書館にでもこもろうかな……。

有栖川有栖ファンとしては忙しいシーズンでしたね。
火村シリーズ新刊『鍵の掛かった男』、大変楽しく読みました。シリーズ内でも五指に入れていい名作なんじゃないかな? 人によってはトップになるかもしれません。
論理的に解決できる殺人事件の謎/論理では解き明かせない不条理な人間の謎、という二種の「ミステリー」を、一人の男の死の真相を探る話として巧いこと絡めて物語にまとめ上げる手腕は流石。今回は、本格ミステリファンにも訴求力があることはもちろん、普段ミステリを読まない人にも人間ドラマとしてアプローチできていて、なおかつどちらが疎かにならず結びついているのがとてもよかったです。
読み終わった勢いで読書メーターにアレコレ雑感を書きましたが、本格ミステリディスコミュニケーションの文学ととらえた上での、それでも人はコミュニケーションを希求する、という物語であると感じました。基本的に明るい読後感がそれほど多くないシリーズにおいて、この作品が前向きなテーマ性を提示しているように感じたんですよね。(例えば『ダリの繭』なんかは典型的に都市小説を意識して書かれたディスコミュニケーションの話なんですけど、テーマとして相互理解の不可能性でとどまっている気がします)
そのあたり、作中の言葉を引き合いに出しつつまた詳しく書評を書きたいものです。
そして火村シリーズといえばまさかのドラマ化! 来年一月が楽しみですね。
前にブログの記事でも触れた『すべてがFになる』ドラマは個人的に楽しめた作品だったので、新本格ドラマ化のいい流れが繋がるといいな、と思います。今やってるアニメも面白いです。

・今夏は何をしていたかというと、例年通りミステリーナイトに参加して(今年はなんと仲間6人で参加出来ました。人数が多いと盛り上がりますね!)惨敗を期してきたり、あとは『ファイアーエムブレム』25周年のコンサートに参加してアツい夏を過ごしたりしてきました。何を隠そうFEシリーズ大好きなもので、過去作から近年作までプレイ時の思い出を回顧しながらワクワクしたり感動で泣いたりしていました。
ファイアーエムブレムといえば、最新作のifも非常に面白くプレイしております。ゲームファンとしては対象層によるバージョン分けという画期的な試みに着目したいですし(システムもマップもストーリーも異なるというのは中々ないやり方です)、物語好きとしてはゲームにおけるナラティヴ概念とパッケージングの時点でプレイヤーに選択の余地を与えることの相関性について考えていて面白い題材やなあ、と。このシリーズはナラティヴ概念で語れることが結構ありそうなのにそういう分析がないっぽいので、その辺時間があったら文章にしてみたいです。ストーリーが重厚と言われがちなゲームですが、どちらかというとプレイヤーが独自に生成するナラティヴを重要視しているゲームだと思うんですよね。

・日々生きるのに精いっぱいですが、なんとか生きてます。
小説書きたいです。